第20回 日本地域薬局薬学会年会に参加して

第20回 日本地域薬局薬学会年会・参加報告
大島恵子
青森県薬剤師会会長の木村隆次先生が、「地域包括ケアシステム構築のプロセスと薬局・薬剤師の役割」と題して講演されました。全市区町村において2025年を目途に日常生活圏域ごとに「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。それに先駆けて全市区町村が地域の実情に合わせてアレンジできる新しい介護予防・日常生活支援総合事業が2017年4月より始まります。その事業の中でも重要となるのが、「地域ケア会議」つまり地域での多職種協働のカンファレンスです。地域の高齢者一人ひとりの支援内容を通じて、地域支援ネットワークの構築などを行います。構成員の中には医療の専門職種も含まれており、木村先生は薬局薬剤師が参加する意義が大いにあるとおっしゃっていました。例えば、転倒という事例が薬の副作用によるものかもしれないと薬剤師の視点で発言できるからです。

また二十四軒薬局の高市和之先生は、「薬局薬剤師が出来る糖尿病一次予防」と題して講演されました。地域に根差した調剤薬局として、まちかど相談室や交流サロンを定期的に実施することで、地域の高齢者とも顔見知りになり、一次予防として薬局が機能することを目指してほしいと述べられました。その中で一次予防の例として、実際に高市先生の調剤薬局で実施している血糖値やHbA1cなどの測定が挙げられていました。薬局が地域の高齢者に利用されるためには、処方せんがなくても健康に不安があるときなどに立ち寄り、何でも気軽に相談できる存在、身近で頼りになる調剤薬局、薬剤師でなくてはならないと改めて感じました。

今回の学会に参加して、これからは地域ケア会議への参加や健康サポート薬局への取り組みなど、いかに地域住民に貢献していけるかどうかが、調剤薬局として薬剤師として生き残れるか否かを決めていくように痛感しました。

学会・活動報告

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