APS(全国調剤薬局研究会)2006年度全国大会 〜調剤報酬改定をうけて〜
場所 : 長野市
11月11日(土)
2006診療報酬改定&医療制度構造改革をどうのりきるか?
〜保険薬局の生き残りをかけて〜
講師:久保隆
<2006診療報酬改定のポイント>
@ マイナス改定
A 患者本位の医療へ
(主体的参加、必要な情報の選択、本人が求める医療を受ける)
☆診療・受療行動の誘導ではなく、患者さまから選ばれる薬局になる
<患者さまの生涯支払総額(Life-time Payment)の最小化>
患者本位の医療が進むと患者さまが主体的に情報提供を受け、医療を選択するということなので支払い対価に見合うサービスの提供が求められる
(例)医療費の内容のわかる領収書の発行
このような状況で保険薬局の存在意義を維持するには、支払額に見合うメリットを求められる。→薬学管理料(薬歴管理料、服薬指導加算、情報提供料)の理解を得るには「予防」的効用の浸透が不可欠。
薬学管理料のサービスを実践すると受付1回当たりの医療費は増えるかもしれないが、一人の患者さま生涯の医療費総額は減少する。→数値的に示せるようにする必要性がある
<求められる専門性>
患者本位の医療を実現するために薬物医療における診断・支援のスキル
そのための場作りのスキルが求められる
今後の保険薬局の成功要因
中小チェーンにおける成功要因
●質の向上(高品質サービス)と効率化の両立
@ 患者さまの視点に立った高品質サービスの構築
A 「いいやり方」の標準化
B 人件費総額・薬剤仕入の効率化
C 不採算店のスクラップ&ビルド
●マーケティング機能の強化
@ 店舗現場での顧客関係性の強化
A 本部のマーケティング機能の強化
B マーケティング機能を強化する店舗展開
●強みを生かした周辺、新規分野展開
@ 「地域密着」「健康」が最大の強み
A 顧客関係性強化のためのデータベースの構築
B 「受け皿商品・サービス」の開発
☆マーケティングとは 組織とステークホルダー(関与者)両者にとって有益となるよう、顧客に向けて「価値」を創造、伝達、提供したり顧客との関係性を構築したりするための組織的な働きとその一連の過程。→「売れる仕組づくり」=「患者さまに選ばれる仕組づくり」
☆顧客満足とは 患者さまの期待 > 商品・サービスの品質 1日24時間、1年365日ずっと「顧客満足が高い」という状態は成り立ちにくい→「顧客満足が高い」瞬間をいかに多く作り出すかがポイント
「顧客満足」を生み出す瞬間を逃さないための準備が日頃からできているか?
・顧客満足を実現するための第一歩としてお薬手帳をどう活用できるか
まとめ
@ 患者本位の医療=質の向上の実現 と 継続サービスのための収益の確保=効率化の両立が求められている。
A 顧客満足は、そのための「日常の準備」が必要(考える組織)
B 提供サービスの「効用と特徴」の理解が不可欠
11月12日(日) 薬局ごとの取り組み発表
@ 地域でブランド力をもつ薬局となる
地域でブランド力をもつには、的を射た患者サービスを一定水準レベル以上で維持し、顧客満足を上げなければならない。そのためにアンケートによるニーズの確認や、患者情報を反映した薬歴を作成することで顧客管理の徹底を行っている。またミーティングを行い全スタッフで情報誌を作成している。
親近感を持っていただく為にスタッフ情報も掲載。
これらを根付かせることができれば、既存の患者さま確保に繋がると考える。
25年以上前から漢方の保険調剤を行ってきた。
刻みの生薬の調剤・浸煎剤の調剤・丸剤の調剤・漢方の軟膏剤の調剤の紹介。
平成16年度と17年度の試行事業に参加するなかで明らかとなった業務上の問題点を改善し、さらなる質的向上を目指すべく社内で各重点項目に関する委員会の活動報告。
C 薬局における「糖尿病患者支援」への取り組み糖尿病患者および予備軍である患者さんのニーズにきちんと対応するには、糖尿病に対する専門知識を持たなければならない。糖尿病の指導にあたっては、日本糖尿病療養指導士認定機構が認定する「日本糖尿病療養指導士(CDE)」と呼ばれる資格があるが、保険薬局勤務の薬剤師では受験資格を満たしていないため取得出来ない。しかしNPO法人西東京臨床糖尿病研究会が認定する「西東京糖尿病療養指導士(西東京CDE)は基準を満たせば薬局薬剤師でも取得が可能。
外来業務において、処方せん受付時のみに関わるだけでなく、いつでも患者さまとかかわる体制づくりを目指し「個別相談」というスタイルを用いた。
小児の保護者が、どのようなことを不安に思い尋ねてくるかを、訪れた保護者100人にアンケートを行い、検討した。
E 保険薬局におけるセルフメディケーション 〜役立つ栄養指導の取り組み〜きめ細やかな健康情報発信源として薬剤師はもとより、管理栄養士及び栄養士も大きな役割を担っています。それは、人が生きていく根幹である「食」を外してはセルフメディケーションは得られない。
まとめ
薬局ごとに地域に根ざした様々な取り組みが行われている。このひとつひとつの取り組みがその地域で信頼を勝ち取り、地域一番店(オンリーワン薬局)へと繋がっていく。薬局の生き残りをかけて、良い活動を自店の経営に生かしていくことが出来ればと思う。
コンテンツ
学会・活動報告
- 香港視察
ホテルサービスの実地研修 - 第50回日本薬剤師会
学術大会に出席して - 第21回日本地域薬局
薬学会年会に出席して - 東海薬剤師学術大会
に参加して - 第20回 日本地域薬局
薬学会年会に参加して - 第45回
日本薬剤師会学術大会 - 内服薬の特徴について
- 愛知県女性団体連盟の
研修旅行に参加して - グループホームの
運営推進会議に参加しました - 第43回
日本薬剤師会学術大会 - プレタールOD錠 講演会
- 第42回薬剤師会
学術大会に参加して - 第22回FAPA(FAPA2008)
- 第2回
日本緩和医療薬学会 - 体験学習できてくれました
- 創立10周年記念旅行
- FIP2008参加報告
- APS(全国調剤薬局研究会)
2007年度全国大会 - 第40回
日本薬剤師会学術大会 - FAPA2006 YOKOHAMA
- APS(全国調剤薬局研究会)
2006年度全国大会 - 第39回
日本薬剤師会学術大会報告 - 2006 FIP in Salvador
- 台湾訪問
- 実習勉強会
- 第38回
日本薬剤師学術大会報告 - 韓国研修旅行
- 第20回
FAPA2004に参加して - FIP2004 in New Orleans
- PSWC2004
第2回世界薬学会議報告 - 第36回
日本薬剤師学術大会報告