第51回 東海薬剤師学術大会に参加して
 平成30年12月2日
 静岡コンベンションアーツセンター「グランシップ」にて

みずほ調剤センター薬局 上田さゆり

 「人として、薬剤師として」同僚の薬剤師と皆で参加しました。
 今では毎日のように行っている在宅業務では、患者さんの状態を気に留め、処方の内容を検討し、元気になって良かった等々薬局内で情報共有しています。今回ポスターセッションでは、日ごろの在宅業務を振り返り、自分たちの経験したことのない事例を知る機会でもありました。
 また、メーカーさんのブースでは、免疫力を高めるSIgAの分泌を増やす乳酸菌B240を含むドリンクが気になりました。病原体(細菌やウイルス)と最初に接する目・鼻・口の粘膜や腸・初乳・母乳ではSIgAが多く存在しているとのことです。バリア機能を果たす粘膜免疫を低下しないようにして、これからの寒くなる季節に風邪を引かず体調を維持したいと思いました。

『更年期からの女性のヘルスケア』〜大豆由来成分:エクオールが果たす役割〜
みずほ調剤センター薬局 粂井 敬子

 大豆に含まれるイソフラボンは植物性エストロゲンと呼ばれ女性ホルモンに類似した働きをすることが知られていますが、近年の研究で大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が腸内細菌によって代謝されるエクオールこそがより重要な働きをすることがわかりました。
 エクオールはβ受容体[骨、脳、肝臓、血管、前立腺、滑膜(関節・腱)等の臓器に作用]に選択的に結合することで安全に効果的な作用を発揮します。
 ただ大豆イソフラボンを摂取しても日本人の50%しかエクオールを産生することができません。エクオールを産生できる人が食品で摂取するのであれば、豆腐2/3丁(200g)納豆1パック(50g)、豆乳一杯(200g)がそれぞれの目安であり、エクオールに換算すると有効量といわれる約10gになります。
 先日、手指の痛みで整形を受診されドクターからエクオールの摂取を勧められたという患者様のお話を聞きしたあとだったので、60歳のブシャール結節やヘバーデン結節といった手の外科疾患に有効であることがわかりました。

特別記念講演『脳を鍛え認知症を予防する』に参加して
みずほ調剤センター薬局 松普@暁子

 スマートホン、タブレット端末がどの程度私たちの「脳」に影響を与えているのかご存知ですか?
 今回、私は川島隆太先生の講演会に参加し日々の生活を見直すきっかけを与えられました。
 スマートホンやタブレット端末は便利ではありますが、脳機能を低下させるという報告があるとの事です。子供は簡単に使いこなし楽しみもあり、大人もそれに頼ってしまいますが、学習能力に大きな影響があるという事でした。
 つい子供を静かにさせるためにスマートホンやタブレット端末を使用してしましますが、それが与える影響について見直すことも大事ですよね?
 また、別の研究では、認知症の方で大変興味深い結果が出ており重度アルツハイマー型認知症の方でも字を読んだり、数を数えたり日々トレーニングする事を続け、たった2.3ヶ月で自分で字を書けるようになる、計算もできるようになるまで回復できるとのことでした。私達が生まれながらに兼ね備えている「脳」の素晴らしさに感動してしまいました。
 気づきを与えてくれた本講演、参加できたことに感謝します。

 東海薬剤師学術大会ポスター発表を終えて・・・

 在宅医療の分野にて「住宅型有料老人ホーム・グループホーム施設患者への服薬支援・事例報告」でポスター発表させていただきました。
 様々な先生とお話をし、他のポスター発表を見学する中で、在宅では患者様の周りにいる多職種の連携が大変重要になってくること、その中で薬剤師の職能を十分に発揮することも大切だと感じました。
 ”One  for ALL, ALL for One”
 (一人のスタッフがチームの機能のために貢献し、全てのスタッフは患者様のために)
 今回ポスター発表は私自身初めての経験でしたが、ポスターを作成することで普段の仕事を客観的に見ることができ今後の改善策も見え、同僚と有意義な意見交換もできたと思っております。

ランチョンセミナー『多方向に進歩する糖尿病治療薬;配合薬の利点を考える』に参加して
みずほ調剤センター薬局 長崎 彩子

 現在日本の糖尿病患者は約316万人、糖尿病が疑われる有病者は約1,000万人とされ、平成9年以降増加を続けています。糖尿病は進行するまで自覚症状がないことが多く、治療が上手く進まないことも多いです。そうした患者では薬の数が増えていき、さらにコンプライアンスが不良となるといった悪循環に陥ることも少なくないかと思います。
 現在の保険診療上は単剤での先行処方が必要となるといったデメリットもあるものの、配合薬を使用することでコンプライアンス改善に繋げていく、というお話でした。
 今も新しい配合薬が販売され、種類に富んできましたが、配合割合を調整できない、重複処方してしまう、といったデメリットをしっかりと理解した上で、安全性をより高めるために薬剤師による服薬管理を確実に行っていくことの重要性を再認識することができました。

学会・活動報告

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